古都フエの遺跡群(南中部トゥアティエン・フエ省)の各遺跡入場料も、4月1日より大幅に引き上げられる予定です。現在の各遺跡の入場料は、◇ベトナム人:3万~7万5000VND(約170~420円)、◇外国人:4万~10万5000VND(約225~590円)となっていますが、4月1日より、ベトナム人・外国人を問わず、同一料金を適用。フエ城(王宮と宮廷美術館)の入場料は150,000VNDで、王様の御陵の入場料は100,000VNDの予定です。
ベトナムの像と虎
ベトナムでは像は大事にされます。王宮の庭で虎は像との戦いで全く歯が立たなかったと言われています。中国で疎んじられる像はこのベトナムでは皆に崇められ王宮の守り神となっています。
王宮内は風水、陰陽の教えを守り陽とされる3,5,9の数字を使用し階段も9段、5段、3段となっている。
フエの王宮観光
1802年ー1945年143年続いたグエン王朝の旧市街王宮観光はフエのハイライトです。フラッグタワーは街のシンボルでフエのどの場所からでも見ることができます。旗の色が変わることは政府が変わることを意味します。王宮門に入り左右の急な階段を登ると王様が国民に挨拶する広間に出ます。又、ここは科挙試験の発表の広間でもありその絵が飾られています。王妃の間はその上の3階。13代皇帝が引退宣言をした場所でもあります。1968年アメリカ軍砲撃の傷跡が今でも柱に刻まれています。
正門(午門) 正午になると真上に太陽がのぼる午門、コの字型になっていて午は南、南門を表します。1階入り口は5つ(王様の門 貴族、官僚の門 軍隊の門 動物の門)。中国の教え:南から天下に耳を傾ければ世の中平和を意味するそうです。瓦は高級黄色(真ん中のみ黄色)他は緑の瓦。王宮建設は初代ザーロン帝が即位してから3年後の1805年、完成まで20年の歳月が費やされた。午門は2代目ミンマン帝が創建し12代カイデイン帝が再建している。2014年11月現在王宮午門は修復中ですので上には登れません。2015年4月完成予定。王宮観光には影響ありません。
太和殿
王宮の門を出るとお堀の鯉を見ながら王様謁見の広場に出ます。その広場は官位によって謁見を待つ場所まで指定されています。瑠璃色をした屋根の太和殿が正面に現れます。(室内は写真禁止です。)玉座は天、地、人を表し三者の同意を得て皇帝の座につくことを表す。皇帝が執務とったり儀式の舞台になった太和殿は中国故宮の大和殿に模した宮殿と言われていますが純粋のベントナム建築でチーク材80本で支える宮殿は圧巻です。天井には中国の漢詩の書が並べられ中国文化の影響が色濃く出ています。屋根の上の9(ラッキーNo)匹の龍は皇帝の象徴で幸運を表します。(1970年に再現)
延寿宮 Cung Dien Tho
延寿宮は初代皇帝のザーロン(嘉隆)帝の母親の住居として建造、ベトナム戦争で破壊されその後再建されました。周囲はオリジナルの建物が残っていてフエ王宮の現在を見るには最適の場所で復元工事で忙しそうです。当時の豪華な椅子・テーブルなどの調度品が置かれており、皇帝一族の豪華な生活様式を現在に伝えていた。太和殿から少し離れていることもあり見学者は太和殿の後、世祖廟、顕臨閣に向かうが一見の価値があります。(館内撮影禁止)2015年現在延寿宮は完全に修復が終了しました。
閲是堂
太和殿を出ると広場に出ますが右側にグエン王朝歴代の家族写真を展示した部屋があります。12代カイデイン帝の写真は今でも鮮明です。王朝崩壊により禁止されていた王宮舞踊音楽(ニャー・ニャック)はユネスコ文化世界無形遺産に指定されており修復された閲是堂で1日4回の公演を見ることができます。(9:00、10:00、2:30、3:30 30分) 入場料12万ドン、7万ドン (お茶とケーキ特等席、ミネラルウオーターの違い)*王宮宮廷音楽はある程度の人数が集まらないと開催できない場合がありますのでご注意ください。
荒廃した王宮跡 (皇帝の住居、紫禁城、80%はベトナム戦争で崩壊)1963年民族解放戦線が王宮に逃れたことを契機にアメリカ軍は王宮を総攻撃し宮殿は焼け野原となりました。現在、宮殿廊下を中心に修復中です。 フエの王宮は単なる中国の模倣ではなくその建築様式の価値を認められて世界遺産につながっています。又、文化財保存修復・管理に関しては一流の技術があることが認められています。多くの観光客はオリジナル部分が残っていないことにがっかりしますが世界遺産登録条件の一つに対象の管理体制が整っているかが問われます。2015年9月現在王宮図書館は修復が終了しました。
世祖廟
グエン王朝歴代10人の帝の祭壇と王妃の位牌が祭られています。
歴代の帝は13人いましたが5代ズクドゥク帝と6代ヒエプホア帝は廃位、13代バオダイ帝は退位してフランスに亡命したので除外されています。王宮の至るどころの壁は陶器やガラスの破片で復元され雨の多いフエで汚れを防ぐための職人の知恵です。
顕臨閣 (けんりんかく、グエン朝の菩提寺)
歴代皇帝9人の名前が刻まれた青銅の鼎が置かれています。最も大きい鼎は中央初代ザーロン帝のもの。 鼎(かなえ)とは、三本足で立つ青銅製の釜のようなもので後に祭礼の道具として使われるようになったものです。鼎は全部で9つ、それぞれが9人の皇帝を象徴しています。九鼎を作ったのは二代目のミンマン帝。それぞれの鼎には高、仁、章、英、毅、純、宣、裕、玄の文字がありこれらはグエン朝の皇帝の廟号を示しています。
紫禁城午門 太和殿 太和殿 保和殿の玉座 紫禁城地図