バックマ国立公園はフエの南方60キロのところに位置し現在直行バスはないのでダナン行の乗合バスに乗車、カウハイ市場前で下車。バス停からはセオム(バイクタクシー)で3-4万ドン公園事務所まで向かいます。残念ながら現在バックマ国立公園は山道補修のために2013年4月末オープンまで閉鎖しています。今回、バックマ国立公園の御好意で国立公園内を視察させて頂きましたのでその内容をご案内します。道路の補修に加えて宿泊施設の建設、ケーブルカーの敷設等の企画は出ておりますがまだ実現には至っておりません。フエ最大の観光地バックマ国立公園は閉鎖しているものの頂上から見る絶景はすばらしくコーハイラグーンを一望に見渡せます。フエの最高峰マン山(1712m)の連山は木々が青々しく霊山の重々しさがあります。エコツアーの本拠地としても名高いバックマ国立公園はトレッキングファンにはお勧めです。渓谷沿いに歩いているといろいろな植物、蝶、鳥の種類に驚かされます。
バックマ国立公園の歴史
1930年代フランス植民地時代涼しい高地(1450m)を選びフランス人が当時で139の別荘を建設。
(1932年7月28日フランス人技師ジラルドが開発。)現在でも当時に郵便局が残る。
1954年フランスが去って別荘はジャングルの廃墟となりベトナム戦争に突入。見晴しのよいバックマは米軍のヘリコプター基地となった。烈しいベトナム戦争の最中多くの森林、別荘が破壊され一部の別荘が今でも残っている。その後1976年果樹の植樹、野菜農園を実施。激しい気候のため計画は中止。
(現在は日本のボランテイアが有機野菜栽培を指導している。)
1991年公園は。南シナ海からラオス国境まで広がる森林を保護する目的で設立。
2008年1月2日バックマ国立公園は37、487ヘクタールへと拡大。
気候は強い海の風で一日のうちに何回も天気が変わり地上よりは7度の温度差がある。12月、1月の平均温度は15度で5月から8月にかけてが一年で最も暑い。
現在のバックマ国立公園の現状と今回の視察(2011年8月8日)・・・2013年4月末開園
1従来のバックマ案内所は閉鎖され修理中です。対面のレストランはオープンしています。入園料は2万ドンを徴収しておりましたが23000ドンに料金は変更される予定です。公園近辺であればガイドがつく前提でバードウオッチング等の個人旅行は受けいれているようです。
2頂上の高さ1450m、事務所からの距離19kmあります。国立公園の車で公園内に入りましたが細い山道が続き15分すると従来の3m道路を6m道路に拡張する工事が進行中です。20分程は車片側通行で動きますが16km地点で車から降り完成済のコンクリート道路を登ります。2km歩くとバックマを開発した人(M.GIRADO)の石碑(1932年7月28日)が見えます。
3頂上前1km地点(フランス植民地時代の郵便局)でコンクリート道路はなくなり細い山道が頂上まで続きます。この地点から眼下に見るコーハイラグーンと海は絶景です。地上からこの地点までケーブルカーを敷設する計画があります。
4頂上までの山道は狭くベトナム戦争時代の洞穴、鉄条網が残ります。20分程でバックマの頂上に到着します。頂上にはお寺の金と本堂があり僧侶の読経の声が響きます。コーハイラグーン、海、フエ最高峰マン山の連山を拝むことができます。
5帰路はコンクリート道を使わず山道(ジャングルロード)をトレッキング、いろいろな植物、蝶、せみの声、鳥の鳴き声を聞きながら30分ほど歩きます。バックマのお寺に到着します。お祈りをする人、お線香をあげる人様々です。お寺で休憩後、しばらくコンクリート道路を歩きますが旧フランス別荘のあたりから再びジャングルに入ります。階段あり、岩あり、渓谷沿いを歩き30分程でロー滝に到着。清流に癒されます。そこから落差300mのロドデンドロン滝まではちょっと険しい道のりになりますので今回はカット。50分程山道を歩きメイン道路に出て車で案内所まで戻りました。
6海からの風が強く一日のうち何度も天候が変化します。1991年国立公園に指定されたがベトナム戦争で
は枯葉剤が散布され森と木の伐採が続き鳥類、動植物を守ることに公園スタッフは一生懸命でした。