ベトナム政府観光局日本支局開設について

フエフェステイバル期間中(4月8日)9:00よりフエインドシンパレスホテルにてベトナム政府観光局と日本における日本支局開設準備委員会とで開設のための覚書調印が行われました。日本からのベトナム渡航者は年々増加しており2013年は日越友好40周年記念を迎える。

第13回世界歴史都市会議(フエ)開催 2012年4月16日~18日

世界歴史都市連盟会長及び事務局長を務める京都市は東南アジアではじめてフエフェステイバルの開催地フエ市に第13回世界歴史都市会議の開催のために30名の代表団を派遣し国際会議の議長国として参加しました。100年の歴史を誇るモーリンサイゴンホテルには世界12ケ国から117名が参加、地元ベトナム人合わせて330人の参加。世界歴史都市会議は第一回が1987年京都で開催されその後、フローレンス、バルセローナ、京都、西安、クラクフ(ポーランド)モンペリエ(フランス)モントリオール、慶州、パララット(オーストラリア)コンヤ(トルコ)奈良(2010年)今年は13回目にあたる。”経済発展と文化保存のバランスを図る””若者の文化保存意識の向上” が共通のテーマとなっています。

 

開会式では地元フエ市長の挨拶に始まり、ベトナム観光省副大臣、門川京都市長、フエ州カオ知事の挨拶、キーノートスピーカーとして早稲田大学の中川教授からフエ王宮遺跡及びその他の遺跡の修復の細かな解説がありました。引き続き若者の文化遺産保存の意識について若い参加者からプレゼンが行われました。

1ベトナム師範大学歴史学部の学生(若者の文化保存事業活動の現状と今後)

 エコツーリズム団体組織、村の紹介、環境保護活動、チュンアンツーリズム(ファンボイチャウの保存)

 自転車利用によるエオツアー開発、文化活動を通して環境改善、収入向上を目指す。活動資金不足

2京都佛教大学の学生(ライフスタイルの変化による若者の文化保護とITを駆使した広報活動)

 伝統街文化(町屋の変化)天候異変による山焼き伝統の変化(送り火)Twitter,Facebookを利用した

 若者らしい広報活動

3トルココンヤから法律学部の学生(トルコ全体の観光案内)

 湖、滝、火山、シルクロードの中継地点、建築物を中心とした広報活動、文化遺産を紹介

4英国人ボランテイア(Hue Help Organization)観光促進のための英語教育の充実と雇用拡大

 英国の小都市(Saltburn)の街おこしイベントをフエに、プレゼン能力(英語)による広報の充実

 シクロ、露天商への英語教育、貧困層及び障害児への英語教育の必要性、英語習得による観光産  

 業の拡大と雇用

 

専門家及び各国市長のプレゼン及びフエ文化保存に関する提案、提言内容概要、抜粋。

(門川京都市長、中川奈良市長から文化財保護、市の活性化、景観の維持、住民参加の実績と数多くの提言が席上発表され各国の出席者は真剣に聞き入っておられました。)

1フエの遺跡の保存に関して観光用の部分開発が先行し全体像が見えない。政府、個人所有の文化  

 財、市民との連携が必要。修復プロジェクトメンバーの人数構成に専門家が少なく観光ガイドを兼ね

 たレベルのメンバーもいて修復作業が下請けに丸投げの現状を解決するべきである。外国人に頼ら 

 ず自力専門スタッフの育成を急ぐ。修復が原型とは異なる色、形となるケースが見受けられる。

2展示する技術が不足しており観光のレベルを脱していない。保管倉庫の不足

3個人所有の文化財保護対策は行政として予算化しないと違法行為が横行する。

4フエフェステイバルの意義を認めながらも観光化しており封建時代の儀式とは異なりむしろTV用であ

 りオリジナルのイメージとは異なる。(服装は新しい素材、デザインが多い)精神的な内容が欠如し祭 

 りに走りすぎる。特に食生活については昔の素材がないのに異なる材料、素材で対応している。

5フエの天候(雨)による文化財の破損、洪水被害による貴重な資料の紛失(デジタル化の必要性)

6文化財保護の管理事業と専門活動の分担及び市民への広報をフエ市の政策として実行して欲しい。

7地上の文化財に加え地下の文化財の研究を考古学の立場から学者の育成をしてほしい。

8王朝文化財に片寄る傾向があるが宗教的な寺院、民間個人の所有の文化財保護を検討を要する。

9フエ文化財保護センターを奈良文化財団のように専門特化した組織に名称を含め変えて欲しい。

10遺跡保存の規則の制定。地元の大工、技術者の養成、個人所有、寺院所有の技術援助。

11フエ無形文化財(雅楽等)に対する若者への教育は現存する熟練者から早急に伝達されるべき。

12歴史遺産の少ない英国から発生した産業遺産(古い工場等)という発想はフエには当てはまらない

  歴史遺産の保護が優先。産業遺産(工場の移転等)については行政が市民に説明する。

13フエの自然景観、文化はフォーン川(風水)に根ざす。川の汚染、変形、洪水の対策が急務。

14住民への遺産保護広報に加え観光開発による収入を市民とどのように今後分配していくか課題。

15京都の伝統産業があらゆる分野における産業、ハイテク産業にまで発展した例の指摘。

16自然災害は避けられない街としての市民を巻き込んだ文化財保護対策(京都)防火、地震対策。

17京都景観の維持に対する規制と住民の理解。(建物高さ、ネオンサイン、看板)

18近代化を急ぎ個性は失なわれた。再び取り返し次の世代へと引き継ぐ役割。フエの古いガーデンハ

  ウスの維持は建物、庭の素晴らしさに加えそれを維持してきた女性の”人”に共感を覚える。

19文化財保護の修復費用の捻出に所有者の負担、地方行政の負担(税金)は避けられない。普段か

 らお寺等で”世界遺産学習”を市民を対象に実施している。東大寺のお水取りの火油は菜種油で子

 供達が栽培している。(奈良)

20文化遺跡の中で住民が生活しているホイアンではルールを設定している。違反は罰則となる。

  (経営のルール、景観維持のルール、街並み保存のルール)活力のない落ち着いた街をどのように

  観光開発するかが課題であった。(1つの家、1つの街が観光へとつながるという結論。)ホイアンは 

  ベトナム全土の中でWifi普及率はトップ。ITを駆使した観光案内も実施。

3日間の会議を通して最終日”若者の主張””フエ宣言”が採択され次回は2014年中国揚州と決定しました。

 

 

 

 

  

 

王宮太和殿
王宮太和殿
フォンニャ洞窟
フォンニャ洞窟
ホイアン日本橋
ホイアン日本橋
ミーソン遺跡
ミーソン遺跡